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療育と教育④:子どもたちの喧嘩

泣いている子どもを慰める母親
辛かったよね、もう大丈夫だよ

今日も子どもたちの喧嘩がありました。子どもたちにはそれぞれの言い分があり、また、喧嘩に至る何らかの「要因」が双方にあったと考えられます。学校であれば、このような場合「喧嘩両成敗」とし、お互いに謝罪させて、公平な対応として決着となることが多いでしょう。


前回までの「療育と教育」のブログで述べたように、教育の場である学校ではそのような解決方法が適切なのかもしれません。それは、教育現場では児童・生徒を療育を終えた「大人」であるとしているからです。


したがって、療育の場では異なるアプローチが必要になります。お互いの違いを認め理解し合い、互いに歩み寄る必要性を納得させることが重要です。対応は一見似ているようですが、根本的なアプローチに違いがあります。


療育の場での喧嘩への対応


まず、互いの主張を遮ることなく最後まで話させます。そして、互いの認識の違いを確認させます。どちらが良い悪いではなく、なぜ喧嘩に繋がったのかを考えさせることが重要です。さらに、どうすれば喧嘩に繋がらなかったのかを自分たちで考えさせます。その思考の過程で、自身の行動の誤りに気づき、相手の言い分を受け入れる余地が生まれます。そうすることで、自らの意思で謝罪できるようになります。


避けるべき対応


一番してはならないのは、安易に「なだめる」ことです。なだめる過程で、本人の望む言葉として「正しいか正しくないか」に関わらず「慰めの言葉」を耳にし、相手を理解する機会を失ってしまいます。


ただ「我慢させる」という対応になってしまうかもしれません。それでは、自己肯定感の低い「自分さえ我慢すれば物事は収まる」という間違った性質を育んでしまう可能性があります。主張すべきは主張し、受け入れるべきは受け入れるという、社会の一員として成熟した特性に育てる必要があります。


大人が適切な関わり方をすることで、喧嘩からも子どもたちが学ぶことが多くなるのです。


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